第1回 じゃばらとの出会い

 1998年にフランスの国民車シトロエン2CVを購入、ようやくこの車に乗れるのだという喜びは大きかったが、
唯一しっくりこない点が「車内で聴く音楽」だった。かなりうるさいのであまり音楽を楽しめる空間ではない(特に高速走行時)のだが、それでもトロトロと走るぐらいならば何か聴きたい。しかしぴったりの音楽になかなか巡りあえずにいた。もっぱらラジオを聴いて代用していた。

 1999年9月のとある日曜日、2CVの幌を開け、ラジオをつけながら走っていた。CBCラジオ「カトレヤミュージック」は松坂屋本店から毎日生中継放送される番組で、ゲストも頻繁に出演する。そのラジオから「?」という音楽が流れてきた。バイオリンとアコーディオンの組み合わせによる、なんともゆったりした調べ。それは2CVのユラユラ揺れるボディと全開の天井から降り注ぐ太陽、そしてのんびりした田舎道にぴったり合うものだった。

 「何だろう、この音楽は?誰が演奏しているのだろう?」と気になった。演奏が終わり曲目が紹介された。「ミュゼットの女王」という曲だった。次に「パリの空の下」が演奏された。これもぴたり合う。「愛の賛歌」もいい。曲もそうだが、バイオリンとアコーディオンの組み合わせによる音楽がこれほど2CVにしっくりくるとは、正に虚を突かれる思いがした。

 その演奏者が横浜在住のユニット「シエスタ」であることを知り、ネット通販限定でCD販売を行っているとの告知もあったので帰宅後早速CD通販に申し込みをした。数日後に届いたCDで改めてその魅力を堪能したのだが、そのときにはまだ「「ミュゼット」の意味が分からなかった。

シエスタのCD「ディモンシュ・アプレ・ミディ」。ウェブサイトでの通販
または横浜の「カフェ・シエスタ」でのみ入手可能。
1.ミュゼットの女王
2.つばめのワルツ(つばめの帰還)
3.ケ・セラ・セラ
4.パリの空の下
5.チム・チム・チェリー
6.街角
7.あかねの練習曲
8.オリジナル・ワルツ
9.ラストダンスは私と
10.仔象の行進
11.黒い瞳
12.ばら色の人生
13.マイナー・スイング
14.愛の讃歌
15.モンマルトルの丘

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