第2回 じゃばらを生で聴く

 名古屋の中心部に位置する久屋大通商店街はパリのシャンゼリゼ商店街と友好提携を結んでいるらしく、
毎年11月になるとイベントを開催する。フランスのクリニャンクールとはまるで違うがフリーマーケットが出たり、
「なんちゃってパリ」の雰囲気を出そうとあれこれ企画される。

 その企画の一つとして、パトリック・ヌジェさんと桑山哲也さんの野外無料ライブがある、と知り、駆けつけたのが99年の秋。それより少し前にラジオでお二人の存在を知り、ヌジェさんのCDは入手したものの桑山さんのCDは見つけられなかった。アコーディオンの音がいいなあ、という知識レベルだけで見たのだが、そこで初めて生の音に触れた。ヌジェさんは白いピアノアコ、桑山さんは今と同じ黒のボタンアコ(キャバニョロだったと思うがピエールマリアかも知れない)で登場。ヌジェさんがメインでステージがどんどん進み、アコーディオンの良さ(特にミュゼットトーンの美しさ)をじんじんと感じていた。

 ステージ終了後、控え室代わりのブースでヌジェさんにサインをいただいた。辛うじて知っているフランス語を強引に並べてお願いしたら「フランス語が出来るんですか?」と日本語で返され慌てた。

 それから日の浅い日曜日、知人がオーガナイザーとして開催したフレンチポップ関連のイベントに出かけた。
そこでアコルディオニストに出会う。それが田ノ岡三郎さん(サブちゃん)だった。当時は伴奏に徹していた存在で、その後何度も名古屋を訪れたが、ほとんどが伴奏であった。サブちゃんのソロ演奏を聴くのはずっと後になってからのことだった。

 年が明けて2000年、正月早々にラジオの公開生放送で「シエスタ」が名古屋にやってくる、とのことだったので、早速駆けつける。今と同じ、とても優しさの伝わってくる演奏であった。終了後に少しお話をしたが、再会するのがずっと先になるとは・・・。
 その後、同じ公開生放送で桑山哲也さんが来るとのことで、これも何とか都合をつけて見に行った。久屋大通でヌジェさんと一緒だった時は寡黙だったが、ソロ演奏となった時は実によくしゃべる、「気のいいアンチャン」だった。既に桑山さんのCDを入手していてミュゼットの上手さに感激していたので、初めてお会いした時はかなり緊張した。本番前にCDにサインをしていただいたが、今と同じで元気一杯、演奏も素晴らしかった。リハーサルの時点からノリノリの演奏で、会場となったデパートの広場はたちまち観客であふれた。

 こんな調子でひたすら生のじゃばらを求めてさまよう状態が続いたがなかなかそういう機会に巡り合えない辛さはあった。少しずつアコ関連のCDを集めて聴く日々が続いた。 

←パトリック・ヌジェさんのアルバム「タンデムVOL.1」。

桑山哲也氏のアルバム「ぼくのミュゼット」。↑

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