第3回 じゃばら友の会への道

 それはネットで日頃やりとりをしていた「ひがさ」さんのBBSでの出来事だった。2002年1月中旬、「この人おもしろ〜い!」というひがささんの書き込みがあり、リンク先も紹介されている。クリックすると、その日NHKスタジオパークに出演していた桑山哲也さんだった。ひがささんは偶然番組を見ていて、やたら面白いトークだったのが印象的だったらしい。既に桑山さんの存在を知り、生演奏も聴いていた私は即座に「桑山さんは今度名古屋へライブに来るよ」と返事をしておいた。すると「ぜひ見たい!」と反応あり。そういえばライブでの演奏って見たことないなあ(今までは無料ミニライブのみ)と気付き、ではと案内を兼ねて私も出向くことになった。

 名古屋のライブハウス「TOKUZO」は小さい。それでもなかなかぎっしり立錐の余地もないほどになることは少ない。桑山哲也バンドのライブはぎっしりだった。飲食をしつつ(カレーは結構旨い)、いよいよライブ開始。今ではすっかりおなじみになったオープニング「タンゴ・プア・クロード(クロードのためのタンゴ)」で始まり、一気にトップスピードになる。これだけでアコーディオンの静かなイメージを払拭してくれる。その後曲の説明や、アコーディオンの説明(これもおなじみ)など、トークでも十分観客を楽しませてくれる。気のいいアンチャン、という感じだった。休憩を挟み、それでも正味90分前後のステージで我々を楽しませてくれた。演奏終了後、ライブハウスの気楽さもあり、桑山さんは客席でいろいろ談笑してくれた。CDにサインをいただき、記念撮影にも応じて下さった。ひがささんはご満足のご様子で、「素晴らしい!」を連発していた。会場でもらったチラシには、翌月2月に東京の赤坂で開催される「アコーディオン・サミット」の案内もあったが、「これ、絶対行く!行きますよね!」こちらに念を押してきたひがささんに「いくらなんても東京までは・・・」とひるむ私。しかし結局上京することにした。

↓桑山哲也「アカプルコの月」。かなり内容のよいアルバム。


 平日の夜に開催されるライブだったが、何とか休みが取れたので赤坂まで向かう。行きは新幹線にした。冬なのでコートを羽織れる。このメリットを活用して、いささか気恥ずかしいが着流し姿で出かけた。それまでにも冗談で「和服で聞くのもいいねえ」と言ったことはあるが、本気でやるとはバカな私(苦笑)。東京駅に到着し、まだ時間があったので日本橋界隈をうろつく。山本海苔店で磯辺焼きと煎茶をいただく着流しの私。しぶいんだか、変わり者なんだか。でもさすがに日本橋。和服姿の男性を数名見かけた。
 ぼちぼち時間となったので赤坂へ向かう。分かりにくい所にあったがなんとか判明。その前に近くの「松屋」で腹ごしらえをして、行列に向かう。待ち合わせをしていたひがささんが「うわ!」と驚く。まさか本当に着流しで来るとは思わなかったらしい。そりゃそうだ(笑)。ご丁寧に雪駄まで履いてるし。開場を待つ間、当日出演の「サブ&まみ」がなぜか列にやってきた。まみちゃんが着流し姿に異様なまでの大ウケ。高島屋で買ったワインをお土産に渡す。

 さて、当日はまず「サブ&まみ」のステージ。サブちゃんが珍しく電子キーボードを演奏。これを見られただけでもちょっとお得感。次いで桑山バンド登場。いつもの「アコーディオン、重さ80キロ、あ、ボクの体重ですけどね」ネタがここでも大ウケ。その後、アイルランドのケイジャンミュージックを奏でるデヴィッド・マネリー氏のステージ。ディアトニック(押引異音)式アコーディオンを軽快に操り、パワフルな演奏。「アコ体型」なるものがあることをデヴィッド氏を見て確認。認めたくないけど(苦笑)。

 終演後、近くの「リンガーハット」でサブ&まみの他いろんな方々と食事。しかしこちらは夜行バスで帰らねばならない。慌てて雪駄姿で駅まで走り、東京駅構内も激走し、ギリギリの時間でバスに間に合った私であった。この日から一週間後、ひがささんの手になる「じゃばら友の会」がネット上で発足したのである。そして、この日以降私の「東西じゃばらな旅」の習慣が徐々に始まった。

←桑山哲也氏も参加しているビストロ・テンポのCD。これは「竹内まりや作品集」。
竹内まりやの歌の数々をミュゼット風にアレンジしているので聴きやすいです。

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