第4回「じゃばら友の会結成の巻」

赤坂の「アコーディオンサミット」から一週間後、Hさんが私の掲示板に突然「これ、作った」と連絡してきた。何だろうとクリックすると、「じゃばら友の会」という名称の掲示板だった。簡単な表紙から飛ぶとそこには正にじゃばら楽器に関する掲示板が出来ていた。早いなあ、このフットワークの軽さがたまらなくいい。

 それが現在にまで続いている「じゃばら友の会掲示板」である。


 当初は「アコーディオンを弾けないけど聴くのは大好き」という「口じゃばらプロレス」を展開する掲示板で、遠くパリからも書き込みがあったりした。とにかくどんな些細なじゃばら情報でもガンガン紹介し、勝手に盛り上がる掲示板として一部マニアの間ではかなり大好評だった。やがてプロからも書き込みがあったりして、不思議な成長を遂げていった。


 そんな折、やはりアコーディオンを弾いてみたいという衝動にかられ、大須の質屋で2万円の中古アコーディオンを買ってみた。音は悪くない。トンボのピアノ式アコーディオン。小型の、どうってことないアコーディオンだが、それなりに楽しめた。とはいえ、弾き方をよく知らない。きちんと習った方がいいかなと感じていた。



 「じゃばら掲示板」に”困ったちゃん”的書き込み人がいて、正体はバレバレなのだが、まあ変に荒らすこともないので生ぬるく様子を見ていた。ある日、名古屋アコーディオンクラブ(NAC)のサイトを何気なく覗いてみると、その”困ったちゃん”が書き込みをしていて、アコーディオンをやりたいから楽器購入のアドバイスをしてくれ、とあった。中部アコーディオンクラブ(CAC)にもちょくちょくと書き込みをするようになってきたその”困ったちゃん”は、どうやらウェブサイト上で安住の地を見つけたようで、しばらくNACとCACの掲示板に入り浸っていた。もともと話題の範囲が狭いのでアコーディオンの話題はすぐ行き詰まり、いつの間にかまたいつもの「私は謎めいた女」的電波感覚の書き込みに変わってきた。この書き込みで方々の掲示板を引っ掻き回し、あちこちの掲示板の他の書き込み者たちから批判を浴びると捨て台詞を残して去ってゆく、というパターンを繰り返していた過去があるだけに、やがてNACとCACもその被害に遭わないとも限らない。NACには入会したようなので、せめてCACだけでも救わないといけない。

・・・そんな気持ちからCAC練習会の見学に出向き、その場で入会をした(なぜか”困ったちゃん”に間違えられたが)。じゃばら友の会について説明すると知っている人がいたので誤解は解けた。もちろんあの”困ったちゃん”の行状についても説明し、警戒を促しておいた。


 トンボのアコは持っているが、CACの練習会場で見ると皆かなりしっかりしたアコーディオンを使っている。さすがに2万円のアコで練習を始めるわけにはいかない。入会はしたものの、アコ探しのまま時は過ぎて行った。






                                            

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